街中で赤やピンクやハートのディスプレイの賑わいが最高潮になるバレンタインウィークに、世界有数のラグジュアリー発信地である表参道のLounge Bar 「東京SALON」 にて、その地にふさわしいゴージャスなフードイベントが開催されました。バレンタイン・イベントを楽しく過ごすレシピが沢山詰まった、フードとアートが融合した贅沢なフードパーティでした。その様子をレポートします。
(主催/EMO FOOD ・協賛 /クック・イート・シェア、フランス東京 )
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『EVENT ①, 2月9日~Chocolate box , Full of sweet memories~
「デギュスタシオンな夜」』
(degustation = 試飲・試食・ワインの官能検査)
ゲスト・ステファン・デュー(ショコラティエ)、×小林史高 (ワイン・アドバイザー)



この日の会場を満たしたのは、鼻腔をくすぐる何ともいえない甘い香り。フルーティでフローラルで、このままずっと包まれていたいような。
甘さだけではない、
ショコラの香ばしい香りと、アルコールのかぐわしい香り。
新鮮だけれどどこか懐かしさもあるような、
これは多分、香草酒のような・・甘いけれど複雑で、とても深い香り。
そのどれもが、主張しつつもうまく重なり合っている。
その様子は、まるで、訪れた者を酩酊させようとたくらみを持ち、甘い魅惑の世界へと誘惑しているかのよう。
甘い夜の始まり。
そしてショコラティエ、ステファン・デューの登場。
毎年豪華なスイーツコレクションを発表することで有名な『ピエール・エルメ』の元門下であったステファン。彼の指導の下、バレンタイン仕様の食べられるショコラボックスを、パーティ参加者が自分の手でデコレーションしていく。
用意されたスイーツチャームは、フランスでのハッピーアイコンであるてんとう虫や、四葉のクローバーなど。もちろん赤いハートのマークもある。ずらりと並ぶ華やかなデコレーションチャームたち。
ただ眺めているだけでも、じんわりと幸せな気持ちになってしまう。







(下中央/ ショコラティエ ステファン・デュー)
各自が好みでチャームとナッツとドライフルーツでショコラボックスをデコレーションした後は、赤いソファが並ぶサロンルームに移動し、
思い思いにゆったりとくつろいで座る。



そして、次に登場したワイン・アドバイザー、小林史高によるレクチャーで、ワインとショコラをマリアージュして皆で味わう。(marriage=ワインと料理の相性のこと。結婚の意味。)
チーズではなくてショコラとのマリアージュ。これは、ワイン初心者にはなかなか新しい世界。
先程作ったショコラボックスには、艶々とした宝石のようなステファンのショコラ達が大切に詰めてある。その中から、教えられたものを選び、指定されたアルコールと一緒にmarriageの儀式が始まる。



(中央/ ワイン・アドバイザー 小林史高)
ストロベリー風味の甘口フレシネ・ロゼ(スパークリング・ワイン)と、
同じくドライストロベリーの入った赤くて丸いココ・レーズ・ショコラ。
リンゴと洋ナシを蒸留したブラー・カルバドス(スピリッツ)と、
ピスタチオクリームが詰まったかすかなオレンジ風味のリッチ・ピスターシュ・ショコラ。
自分では思いもよらなかった組み合わせのマリアージュを、小林アドバイザーの説明のもと、いわれるがままに口に含む。
すると、なんと味わい深い世界のひろがることか。



中でも、ポルトガル産バーペイド・マデラ スウィートと、
バニラとキャラメルの二層のクリームで構成されたオセロ・ガナッシュ・ショコラのマリアージュには、特に圧倒された。
醸造のときに付いたカラメルの香ばしさにブドウ本来の強い甘みが残った、濃厚で芳香豊かなマデラワイン。
そのアルコール度数は19度。
それを舐めるようにちびちびと少しづつ味わった後、マリアージュ相手のオセロ・ガナッシュ・ショコラもまた、大切に端からひとかけらずついただく。
マデラワインのもつ素晴らしいブドウとカラメルの甘くるしい濃厚さに、ショコラのガナッシュが重なる。
そして口中にふわりと広がる、
ほんの少しだけホロ苦く、それでも甘い甘い深いマリアージュ。
重なり合う両者の、同じカラメル風味が持つフィーリング。
甘くて深くて香ばしい、感触。
舌と鼻腔の記憶層に残る、いつまでもじんわりと続く耽溺の時間。
甘い、でも甘いだけではないコク味もある、
まさに大人向けの官能の味わい。
やや高いアルコール度数が怖いだけではない理由で、ゆっくり、なめらかに、
マリアージュを楽しむ。
幸せなひととき。
ここでは、なにもかもがゆったりと少しづつ愛でるように、
大切に扱われる。
本当に贅沢なこととは何か。
それを知っている人だけが愉しめる、
ゆったりとした、まどろむような、丁寧な時間。
後に続いたビーガン(ピュア・ベジタリアン)のフードのもてなしも、新しい味との出会いを教えてくれた。そしてそれは、アルコールとスイーツの後の私たちを、ほっと和ませてくれるものでもあった。
そんな、魅惑的で口福な夜だった。
官能の余韻はまだ続く。To be continued…。



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『EVENT②・③、 2月11日 ~Sensual Course~
「官能への道のり」』
ゲスト:エリカ・アンギャル(栄養コンサルタント)×リオネル・ベカ(ミシェルトロワグロ・ヘッドシェフ)






同じ会場ながら、先回のショコラボックス作りの時とはまた違う、ぐんと大人びた装いでもてなされたのが、この日のパーティである。
ウェルカムドリンクのレモングラス・ハーブの甘い香りは、否が応にもこれから起こることへの期待と予感を感じさせる。
2ツ星レストラン『ミシェル・トロワグロ』の若きヘッドシェフ・リオネル・べカの繊細で官能的なフィンガーフードに、ミスユニバース栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルのコメントが華を添える趣向の、アーティスティックな味覚探求の集い。






司会者の促しに誘導され、パーティの顧客が食べ物のあるところまで歩いて移動する。世にもめずらしい逆ケータリングパーティの始まりである。未知なる世界は待っていただけではつかめない。そんな、冒険心を思い起こさせてくれるようなエンタテインメント性も、このパーティには隠されている。
そして闇の中に揺らめくモダンなテーブルに彩られた、リオネル・ベカのロマンティックな前衛的フード芸術の幕が上がる。
熱いカップルの愛の世界をストーリー仕立てで具現化した、目と舌と感触と世界観とで味わう官能美の始まりである。



【Elixir 霊薬~エリクシールまたは霊薬:妖術において、肉体及び精神に力を与える魔法の飲み物。体を火照らせ、欲望を研ぎ澄ませる血の色をした魔法のカクテル~】
情熱の赤を思わせるトマト色のピリッとしたカクテルで出会う。このトキメキは一体何?
【Vertige 眩暈 ~たちくらみ、強い感情の起伏による極度の興奮状態、心拍数の急激な上昇、同時に一目惚れ、または感覚が狂ったようになる甘く暴力的な瞬間~】
濃厚なフォアグラとカリッとしたウェハースの組み合わせは、二人の相性の良さ?お互いまるで違うけれど合わさるとまさに絶妙で、二人の関係をより興味深く意義深いものにするような。その濃厚さに蕩けるような。
【Orage 嵐 ~文学的には静寂で平安な状態を乱すこと。宙を舞う皿や浮気、嘘、涙などを伴う一時的な混乱状態を”愛の嵐”とも呼ぶ。しかし、嵐の去った後、すべてはさらに味わい深くなるもの…~】
突然、鳴り響くカミナリの音。そして淡白なホタテ貝のピックは、次に進むまでのア・プリオリ?アクセントのワサビと柚子とコショウが余韻を引いて、それでもやっぱりどうしてもあの人が気になる。

~導かれるまま、別世界へと向かう重い扉の奥に進むと、闇の中にゆらめくキャンドルが、二人の進むべき道しるべを教えてくれる ~



【Orgasme オーガズム~性的な興奮が最高潮に達したときに起こる生理学的なリアクション。呼吸の加速、筋肉のけいれん、震え、感電したような感覚を伴う~】
ついに、ここまでやってきた。ふたりだけが知る睦みごと。硬くてダークなチョコの殻をカリリと破ると、中からとろりとした甘露で秘密めいた液体が。それはバナナの甘いテクスチャー。びっくりして、甘くて、かつ刺激的なチリパウダーの余韻も含めて。
【Nirvana ニルヴァナ または涅槃(ねはん) ~感覚の抑圧や悩み、束縛から一切解放され、内面が完全に充実した完全に穏やかな状態、悟りの境地。強く深い満足があってこそ~】
そしてたどり着いた究極の愛の世界、涅槃。口に入れたが最後、一瞬でシュワッと溶けて消えてしまうショコラ・フロマージュのマジック。このはかなさは何を意味する?夢、幻、それとも永遠?
食べ物のポジションを芸術作品にまで高めたリオネル・ベカのフィンガーフード。フィンガーフードは、指先で収まる小さな世界。そこに、計算されつくした小宇宙が詰め込まれたそのフード芸術は、どれも圧巻だった。パリ帰りのフラワーアーティスト・川口昌亮氏の妖艶な花のスタイルを見せたデコレーションアートとフードとのコラボレーションも抜群。



クリストフル社やバカラ社などのフランスの自国製品を紹介する映像も楽しかった。それは、本来の正しい使用法とは異なるセクシャルな使用法で、グラスやカトラリーなどを紹介するとてもアヴァンギャルドなもの。
「私は食べられるハイヒールの映像が気に入ったわ。女主人が召使をかしずかせて履かせていたハイヒールなのに、履かせながら実はそれを食べられちゃっていて、つま先が見えて気が付いたら裸足になっちゃった、だなんて。セクシーで主従逆転で、とっても面白いわ。」
悩める現代女性に向けて、栄養学的見地からの美容アドバイスや人生の歩き方まで説く、意義深いコメントが大人気のエリカ・アンギャルだが、ユーモアのセンスも抜群のようだ。
さらにこの後、美容にいいチョコの摂取方法をバレンタイン・トークとしてレクチャーしてくれたエリカ。
ワンショルダーの艶やかなブラック・ドレスに身を包み、参加者が多い集まりのなか、気さくにカメラに応じてくれた。
そして、一人ひとりに言葉をかけ、
「いつも笑顔を忘れないで!一番ハッピーで大切なことよ」と教示する。
エリカ・アンギャル自身の笑顔も、もちろん素晴らしかった。

(左/ リオネル・ベカ、中央/ エリカ・アンギャル、
右/ EVENT 2に登場 ミスユニバース2008 ファイナリスト 美馬寛子)
官能的世界とフードのコラボレーションというアートな提案を楽しんだ,
愉悦の時間。
DJブースからのムーディな選曲にグラスを傾けながら、
デカダンで艶やかな魅惑の空間に、そこにいるすべての者は酔いしれた。






普段いちいち意識することはないけれど、そういえば、食べることはそもそもセクシャルなことでもあるとは、東西問わず好事家な知識人は言う。
フロイトも谷崎潤一郎も、たしかそう語っていた様な。
目で愛しみ、香りで魅了され、舌の上で蕩ける。
アルコールの泡と音楽と気の置けない友人たちとの囁きに刺激され、
エレガントでセクシャルな映像に酔い、
自分の中の何かが触発される。
まさに『五感で味わう、官能的なフードイベント』
そんな饗宴であった。
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両日とも、まさにこれこそ現代版サロン形式とでもいうような、
とても贅沢な内容で、
大人ならではの面白みに溢れた、素敵なパーティでした。
日常とは離れた豪奢な部屋で、ワインとショコラと緻密なフィンガーフードに真摯に向き合い、
じっくりと堪能することができた、夢の空間。
贅沢とはゆとりのことでもあり、
残念ながら昨今では非日常なことなのかもしれません。
忙しさのあまり,
毎日があっという間に慌しく過ぎていくだけの私たちにとって、
こんなにも濃厚で、優美で、非日常な耽溺のゆるされる時間が用意されたことに、心から感謝すべきではないでしょうか?
パーティは日夜さまざまな場所で行われますが、
このような洗練された知的なアートイベントは、遊びなれた大人たちの間で、もっと広まってもいいのかもしれません。
パーティの進化系がここにありました。いいパーティでした。
主催のEMO FOOD は、フードデュケーション(食育)の講座やスペシャリティクッキングサロンなどの業務にも関わる傍らに、
今回のような優雅な食とパーティの提案をして、私たちの生活をより豊かに色付かせてくれるライフ・フード・クリエーティング集団です。
(EMO=Emotion “感情“の略)
「何でもある東京だけれど、
日本はまだまだカルチャー的には成熟していない。
そこにすべての人間の根源である食べ物とカルチャーとを組み合わせて、色々な行動を興し、人間の感情に響かせることが出来るような活動をしていきたい。」
「また、多くの女性は、女性として生まれたことの喜びを、まだ本当には味わいつくしていない。女性が幸せになればその周りの男性も子供も幸せになれる。そのお手伝いをもっと提案していきたい。」
食とカルチャーとライフを結び付けて東京の街を沸かせてくれそうな、EMO FOOD の今後の動向も楽しみです。


(我がCookEatShare・Sherwinのオシャレなハートのタイ。So cute!)
By Mao Ito





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